28/08/2026
キョロリとした目や笑ったような口元、今にも動き出しそうなカメの姿が楽しいこの作品、実際のゾウガメと同じくらい大きな、人がまたがって乗れるほどの大きさをしています。カメの体は、古い看板の断片、扇風機のカバー、工具や部品などにより、かたちづくられています。
作者の富田菜摘は、捨てられてしまう廃材を組み合わせて、生き物をつくる立体造形作家です。富田は「廃材には、その物がたどってきた歴史がある」と言います。その歴史が、彼女の生み出す動物たちの個性になって、命を吹きこんでいます。年月を経た金属のサビやザラザラとした感じは、カメの硬い皮ふや、ゆっくりとした動きを想像させます。
作品名は《諭吉》。名前の由来は作品に使われている看板の文字をよく見るとわかります。展覧会「美術の時間」の最後の部屋「自由な発想のつくり方」で、じっくりご覧ください。
(学芸担当)