賀川豊彦記念松沢資料館

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賀川豊彦記念松沢資料館 開館日:火曜~土曜及び祝日10時~16時(見学は16時半まで可)
閉館日:年末年始・夏期休館日・日曜日・月曜日(ただし(月)が祝日の場合は翌日(火)が休館日)

10月7日(水)にJA共済連福島様の団体研修があり、今年度新たに当館に着任した和田寿昭常務理事が初めて講師を務めました。和田常務理事は昨年までコープ共済連の理事長を務めていた関係で、賀川豊彦と協同組合共済のお話を中心に講演していただきました...
08/10/2026

10月7日(水)にJA共済連福島様の団体研修があり、今年度新たに当館に着任した和田寿昭常務理事が初めて講師を務めました。和田常務理事は昨年までコープ共済連の理事長を務めていた関係で、賀川豊彦と協同組合共済のお話を中心に講演していただきました。

一時間ほど賀川豊彦の生涯と社会運動、協同組合共済について講演をしていただき、PowerPointで当館が新たに協同組合文化遺産に登録されたことについてご説明していただきました。今後とも当館の和田寿昭常務理事をよろしくお願いいたします。

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今回は当館で販売している書籍『日本キリスト教史における賀川豊彦:その思想と実践』の紹介を行います。この書籍には賀川豊彦について著名な研究者によってなされた先行研究が多く収められていて、当館が編者として主体的に関わっています。帯にもある通り1...
03/10/2026

今回は当館で販売している書籍『日本キリスト教史における賀川豊彦:その思想と実践』の紹介を行います。この書籍には賀川豊彦について著名な研究者によってなされた先行研究が多く収められていて、当館が編者として主体的に関わっています。帯にもある通り16名の論者が多角的なアプローチで賀川について論じており、特に神学的・思想史的な面で賀川研究を行う方にはとてもお勧めです。

こちらの書籍を紹介するきっかけとなった出来事ですが、先日とある大学生の方が来館され、「卒論のテーマとして賀川豊彦を研究したい」と言われました。学部生の卒論で賀川豊彦を研究テーマにする方は珍しく、とても熱心に勉強されている方だったので対応した私、矢崎もとても嬉しく思いました。その際に「『日本キリスト教史における賀川豊彦』を購入したかったけど、どこにも売っていなくて通販だと値段が高くなってしまっていて買えない」と言っていたのが印象的でした。その大学生の方はこちらで用意した資料や先行研究を熱心にご覧になり、『日本キリスト教史における賀川豊彦』も購入して帰られました。ありがとうございました。

大手通販サイトでもあまり取り扱っていない書籍を購入する際は、その分野を扱っている博物館に問い合わせると、書籍の在庫が残っている場合があります。あまり市場に流通していないマニアックな研究本などを購入できるのは、博物館の大きな利点とも言えます。

当館では通信販売も対応していますので、賀川豊彦関連書籍で購入が難しい本がある場合は、一度当館までお問い合わせください。よろしくお願いいたします。

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9月30日(水)に、コープみらい様の団体研修がありました。対象は就任3年目のブロック委員及び組合員理事の方々で、当館の刈谷参与が講師を務め矢崎学芸員が館内ガイドを行いました。コープみらいの組合員活動を担っているブロック委員の方々が対象という...
01/10/2026

9月30日(水)に、コープみらい様の団体研修がありました。対象は就任3年目のブロック委員及び組合員理事の方々で、当館の刈谷参与が講師を務め矢崎学芸員が館内ガイドを行いました。

コープみらいの組合員活動を担っているブロック委員の方々が対象ということで、刈谷参与は「コープこうべ誕生の歴史から学ぶ」というサブテキストを用いて、大正期のコープこうべ(神戸消費組合)の家庭会(組合員活動の源流)の歴史を深掘りして説明をしていました。

神戸消費組合をはじめ、東京の中野区・杉並区などをエリアとした「城西消費組合」にも家庭会は存在していて、城西消費組合の家庭会の初代会長は歌人の与謝野晶子が務めていました。また世田谷区成城においては、著名な女性解放運動家・平塚らいてうも消費組合「我等の家」を設立しています。さらに平塚らいてうとともに「新婦人協会」を設立した奥むめおは、戦後に日本生活協同組合連合会の副会長を務めました。

以上のように生協運動は家庭中心の運動ということで、黎明期から著名な女性運動家が多く関わっていました。今後とも生協の職員のみならず、組合員様にも多く研修でご来館いただければ幸いです。

#コープみらい 様
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直前のお知らせとなりますが、9月27日(日)午前0:10分から、NHK総合テレビのドキュメンタリー番組『ファミリーヒストリー』で「石橋凌~全力で生きる気質を受け継いで~」が放送されます。著名人の家族の歴史を徹底取材で紐解いていく人気番組です...
26/09/2026

直前のお知らせとなりますが、9月27日(日)午前0:10分から、NHK総合テレビのドキュメンタリー番組『ファミリーヒストリー』で「石橋凌~全力で生きる気質を受け継いで~」が放送されます。著名人の家族の歴史を徹底取材で紐解いていく人気番組ですが、今回放送される石橋凌様の祖父・石橋守造は賀川豊彦とともに労働運動で活躍した人物でした。

https://www.nhk.jp/g/ts/57RY735RG4

石橋守造は賀川より2歳上で大正期に神戸の川崎造船所で勤務経験があり、友愛会尻池支部で幹事も務めて労働環境の改善のために精力的に活動していました。1919(大正8)年2月20日に発刊された友愛会の機関誌である『新神戸』(『労働者新聞』の前身)では、以下のような記事が掲載されています。

♢尻池支部発会式
二月九日午後七時より兵庫実業補習学校大講堂に於て尻池支部発会式を行ふ。石橋幹事の開会の辞についで会員及来賓の演説あり、それより工藤支部長、久留主務賀川豊彦氏高野法学博士北澤留守会長の講演あり、何れも聴衆に多大の満足と感動とを与へて目出度く十時半散会。それより役員会を開き自己紹介、高野博士北澤ドクトルの挨拶ありて会を閉じたり。

こちらの記事からも、石橋守造と賀川が友愛会尻池支部の発会式において同じ壇上に上がっていたことが分かります。今回の放送の中でも賀川豊彦の名が出てきますので、皆様ぜひご覧になってください。

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ファミリーヒストリーのリリース情報や番組からのお知らせなど、最新の情報をお届けします。著名人の家族の歴史を本人に代わって徹底取材。「アイデンティティ」、「家族の絆」を見つめる番組。初めて明らかになる事...

賀川豊彦ゆかりの記念館・資料館(全国5か所)が、このたび協同組合文化遺産に登録されました。https://www.japan.coop/wp/24508国際協同組合同盟(ICA)が定める協同組合文化遺産は、「世界の協同組合のストーリーにまつ...
24/09/2026

賀川豊彦ゆかりの記念館・資料館(全国5か所)が、このたび協同組合文化遺産に登録されました。

https://www.japan.coop/wp/24508

国際協同組合同盟(ICA)が定める協同組合文化遺産は、「世界の協同組合のストーリーにまつわる歴史的建造物や記念碑、伝統や慣習」を記念し、人々が協力することによって成し遂げてきた様々な成果を思い起こさせるものです。また、将来の世代が協同組合を学び発展させることに役立てることを目指しています。

この協同組合文化遺産に、昨年「鳴門市賀川豊彦記念館」が登録されましたが、2026年9月にパナマで開催されたICA総会において、「賀川豊彦記念松沢資料館」「本所賀川記念館」神戸の「賀川記念館」「コープこうべ協同学苑史料館」の4館が追加登録され、ゆかりの5館すべてが登録されることとなりました。

このように5館すべてが登録されましたのも、全国の協同組合関係者の皆様のご支援の賜物であり、改めて深く感謝いたします。

世界的には、ロッチデール記念館(イギリス)、ライファイゼン博物館(ドイツ)など、協同組合発祥の地にある記念館等がすでに登録されていますが、当館もこのたびその仲間入りを果たすことができました。

今回の文化遺産登録を機に、賀川豊彦の思想と実践をより多くの市民、協同組合関係者等に伝えていく活動をさらに前進させるべく、努力していく所存です。

公益財団法人賀川事業団雲柱社
理事長 石部 公男

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協同組合世界会議2日目(最終日)「地域から世界へ」―協同組合による平和構築を議論「パナマ宣言」を採択し、協同による「平和の経済」づくりを呼びかけ閉会式で日本の協同組合関係者が平和…

19/09/2026

♢臨時休館のお知らせ♢
2026年9月21日(月)は台風のため臨時休館とさせていただきます

2009年に日本生活協同組合連合会様により出版された『友愛の政治経済学』(写真①)が、今年の8月に「賀川豊彦オンライン資料集」(写真②)の中に追加されました。当館では写真③にある通り、『友愛の政治経済学』の日本語版と韓国語版(ともに2009...
19/09/2026

2009年に日本生活協同組合連合会様により出版された『友愛の政治経済学』(写真①)が、今年の8月に「賀川豊彦オンライン資料集」(写真②)の中に追加されました。当館では写真③にある通り、『友愛の政治経済学』の日本語版と韓国語版(ともに2009年出版)、1936年にアメリカのハーパー&ブラザーズで出版された原著『BROTHERHOOD ECONOMICS』を展示しています。

『友愛の政治経済学』は元々、1936年に賀川豊彦がアメリカのニューヨークにあるロチェスター大学のラウシェンブッシュ基金の招きで、「キリスト教的友愛と経済再建」(Christian Brotherhood and Economic Reconstruction)という表題で4回にわたって行われた講演を収録したものです。

『友愛の政治経済学』は、賀川豊彦の社会観が包括的かつ体系的に示されています。この本の中で資本主義における搾取と格差の増大を批判した賀川は、同時に1930年代に猛威を振るっていたファシズムと共産主義も「中央管理の強制の体制となり、人格たる人間を圧殺する」として批判します。当時の世界恐慌の中で、人格と兄弟愛を基盤とする経済活動、経済社会を実現するために「協同組合国家」の形成を目指すことが必要だと賀川は提示しています。こうしたキリスト教的な「人格」「兄弟愛」を重視する賀川の政治経済論は、当時のアメリカ社会で熱狂的な支持を受け、『BROTHERHOOD ECONOMICS』の出版に繋がりました。以後この本は17か国語25か国で出版されました。

ただアメリカでの講演を基にした本であるために、長く日本では出版されず『賀川豊彦全集』にも掲載されていませんでしたが、2009年の「賀川豊彦献身100年記念事業」の一環として、当館の石部館長、加山元館長が翻訳を行い『友愛の政治経済学』は73年の月日を経て日本で出版されました。賀川豊彦オンライン資料集の他、当館でも販売しておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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9月15日(火)に、早稲田大学政治経済学術院教授で『村嶋帰之著作選集』編者の土屋礼子様がご来館されました。昨年の3月に当館を通じて学校法人平和学園に寄贈された「村嶋帰之資料」の件もあり、関係者を招いて当館で交流会を行いました。村嶋帰之は大正...
17/09/2026

9月15日(火)に、早稲田大学政治経済学術院教授で『村嶋帰之著作選集』編者の土屋礼子様がご来館されました。昨年の3月に当館を通じて学校法人平和学園に寄贈された「村嶋帰之資料」の件もあり、関係者を招いて当館で交流会を行いました。

村嶋帰之は大正から昭和にかけて大阪毎日新聞記者として活躍した人物で、労働運動や農民運動など各社会運動を賀川豊彦とともに行いました。戦後は賀川豊彦を初代理事長、村嶋帰之を初代学園長として神奈川県茅ケ崎市に学校法人平和学園を創立しました。賀川豊彦の社会運動や教育活動の歴史を考える上で、村嶋帰之は欠かすことのできない人物です。

当日は土屋教授の他、村嶋帰之の孫で著名なエコノミストでもある村嶋帰一様、村嶋帰之の盟友で労働運動家・政治家として活躍した西尾末広の孫にあたる西尾安裕様、ジャーナリストで昨年の4月に毎日新聞(大阪版・神奈川版)で平和学園への「村嶋帰之資料」寄贈の件を記事にした城島徹様、法政大学大学院教授で当館の客員研究員でもある伊丹謙太郎様の5名が来館されました。当館からは石部館長、和田常務、杉浦副館長、矢崎学芸員が出席しました。

土屋教授はメディア史研究の第一人者ということもあり、『村嶋帰之著作選集』の編集にまつわる話や最近の研究についてとても興味深いお話を聞かせていただきました。西尾安裕様も祖父・西尾末広と少年時代に同居していたとのことで、祖父と一緒に病床の村嶋帰之に会ったエピソードなど、親族ならではのお話を聞くことができました。

あっという間に一時間半ほどの時間が流れ、交流会は終了しました。その後は杉浦副館長が一時間ほど館内ガイドを行い、当館と賀川豊彦についてお伝えすることができました。今回のように研究者やジャーナリスト、著名人のご親族の方々が一堂に会することにより、思いもよらぬお話や縁を聞くことができます。今後も様々な分野で同じような会合を設けることができれば幸いです。

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9月5日(土)に、韓国の大邱大学校から李総長と崔副総長、通訳の有村様が当館を訪問されました(写真①②)。お二人は9月4日(金)の賀川豊彦学会大会にも参加されており、崔副総長は学会大会の基調講演前に15分ほど「賀川豊彦と惺山李永植:国境を越え...
12/09/2026

9月5日(土)に、韓国の大邱大学校から李総長と崔副総長、通訳の有村様が当館を訪問されました(写真①②)。お二人は9月4日(金)の賀川豊彦学会大会にも参加されており、崔副総長は学会大会の基調講演前に15分ほど「賀川豊彦と惺山李永植:国境を越えた遺産と未来への飛躍」と題した講演を行いました(写真③④⑤)。

ソウル、釜山(プサン)に次ぐ韓国第3の都市である大邱(テグ)は、現在だとBTSのSUGA(シュガ)やV(テテ)の出身地としても有名ですが、韓国で最大級の広さを誇る私立総合大学の大邱大学校があります。大邱大学校の創設者、李永植(イ・ヨンシク)牧師(1894~1981)は韓国の障がい者教育および社会福祉の先駆者として知られる人物で、賀川豊彦とは息子の李泰栄(イ・テヨン)とともに深い親交がありました。

賀川は1907(明治40)年に明治学院神学部予科を修了すると、恩師であるマヤス宣教師が教授として迎えられた神戸神学校へと進みました。李永植も1923(大正12)年に神戸神学校へ入学しているので、賀川にとって李永植は後輩にあたります。神戸の貧民街で救済活動を行っていた賀川に感銘を受けた李永植は、社会的弱者のために生涯を捧げることを誓い、様々な教育・福祉活動を行いました。そして戦後においては、1946(昭和21)年に大邱盲唖学校(後の大邱大学校)を設立しました。

李永植と息子の李泰栄は賀川と深い親交があり、1939(昭和14)年に賀川が城津(ソンジン)の教会で講演を行った際に通訳を担当したのが李永植でした。また、李泰栄は賀川の推薦により、1943(昭和18)年に明治学院中等部に入学することができました。このような親交があった関係で、1986(昭和61)年には大邱大学校の学内に賀川豊彦牧師記念館(栄光教会)が建てられ、教会内には「賀川豊彦牧師資料室」が存在します。

賀川豊彦と李永植・李泰栄父子の交流は、現在の賀川豊彦記念松沢資料館と大邱大学校の交流にも繋がっています。当館の歴代館長も多く大邱大学校で賀川豊彦についての講演等を行っています。私としても大邱大学校に行く機会があれば、ぜひ「賀川豊彦牧師資料室」を見学して資料の調査を行いたいと思います。韓国から遠路はるばるご来館いただき、誠にありがとうございました。

감사합니다!!

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9月4日(金)に、2026年度第38回賀川豊彦学会大会が開催されました。今回は法政大学大学院教授の伊丹謙太郎様の基調講演と、4人の賀川研究者による研究発表についてご報告します。場所は本所賀川記念館3階の東駒形教会内で行われました。最初に伊丹...
10/09/2026

9月4日(金)に、2026年度第38回賀川豊彦学会大会が開催されました。今回は法政大学大学院教授の伊丹謙太郎様の基調講演と、4人の賀川研究者による研究発表についてご報告します。場所は本所賀川記念館3階の東駒形教会内で行われました。

最初に伊丹様による基調講演として、「本所の経験が賀川豊彦に与えたもの ―連帯社会の構築に向けて―」と題した講演がありました(写真②)。1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災により、東京の墨田区本所を拠点として震災ボランティアを集めて震災救援活動を賀川豊彦は行っていました。伊丹様曰く、賀川自身の活動というよりも、賀川不在時における残されたボランティアの主体的な活動がとても興味深いと述べられました。神戸の救貧活動を引き継いだイエス団の活動、本所の震災救援活動を引き継いだ本所基督教産業青年会の活動など、賀川不在時に残された人々の成長の仕方は目を見張るものがあり、「ボランティアの組織化」の重要性を賀川は本所での経験により再認識しました。伊丹様が最も伝えたい部分として写真③を挙げられており、労働運動など各社会運動の経験から本所での震災救援活動を通じて「人々を組織化して地域課題を解決していく」という方法に賀川は自覚的になりました。そうしたコミュニティの組織化の重要性を再認識した結果、社会運動の完成形として「協同組合運動」に到達したという伊丹様の説明はとても印象的でした。賀川の社会運動において、本所での活動の重要性を改めて学ぶことができました。

基調講演の次は研究発表がありました。研究発表を全て解説するとかなりの長文になってしまいますので、概要説明に留まらせていただきます。恐れ入りますがよろしくお願いいたします。具体的な発表内容については、大会から数か月後に発売される『賀川豊彦学会論叢』にてご確認いただけます。詳しくは「賀川豊彦学会」ホームページをご確認ください。

最初に同志社大学大学院の金秀娟様による「賀川豊彦における罪理解の再構成 -社会悪の克服と和解の倫理」という発表がありました(写真④)。20世紀アメリカの神学者H・リチャード・二―バーの責任倫理を手掛かりとして、賀川豊彦における罪理解を社会悪の克服という観点から再検討し、和解の倫理として再構成することを目的とした研究でした。神学的・哲学的な内容でとても難解でしたが、賀川豊彦の深遠な思想を理解する上で大事な視点だと感じました。

2番目は千葉大学の陶波様による、「賀川豊彦の海外におけるイメージ形成と時代背景:サムフォード大学の『16人のキリスト教の証人』を例に」という発表がありました(写真⑤)。アメリカのアラバマ州・サムフォード大学のキャンパス内に位置するホッジス・チャペル中心部のドーム内には「16人のキリスト教の証人」という壁画があり、その中の一人として賀川豊彦が描かれています(写真①)。この賀川の画がスクリーンに映し出された際は会場からどよめきが起こり、特に重要な発見ということで写真の一枚目に掲載させていただきました。この「16人のキリスト教の証人」の壁画には賀川の他にアウグスティヌスやマルティン・ルター、ジョン・ウェスレーなどといった世界のキリスト教史上の重要人物が描かれており、その中の一人として賀川豊彦が描かれた意義は大きいです。この壁画は1990年代に描かれたもので、賀川の没後30年以上経ってもアメリカのキリスト教、教育界で賀川が語り継がれていた証左ともなっています。

3番目は関西学院大学の李善惠様による、「『イエスの友会』ロサンゼルス支部の活動に関する一考察 ~発足から戦前期まで~」という発表がありました(写真⑥⑦)。「イエスの友会」は1921(大正10)年に賀川豊彦ら14名の牧師によって結成された団体で、海外支部として1925(大正14)年にロサンゼルス支部が結成されました。今回の発表では、アメリカ・ロサンゼルスにおける賀川とイエスの友会の活動とその影響などについて報告していただきました。李善惠様によると南カリフォルニア大学には賀川の講演の音声が所蔵されているということで、今後の研究課題としても興味深い内容を含んだ発表をしていただきました。

最後に愛媛大学の松野尾裕様による、「賀川豊彦のユートピア」という発表がありました(写真⑧⑨)。賀川豊彦の社会運動に貫かれた思想的根本を「一種のユートピア」として、「神の国」「共産生活」「大工イエス」「土の宗教」をキーワードにして賀川の提唱するユートピアを考察していただきました。

今回の発表でも分かるように、賀川豊彦の足跡はとても大きく幅広い研究テーマが存在します。私としても、賀川研究の際は多様なアプローチが可能なのだと改めて感じました。大学の研究者のみならず、賀川豊彦に関係する様々な社会運動の実践者による発表も可能なので、興味のある方はぜひ賀川豊彦学会にご参加ください。

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住所

上北沢3-8/19
Setagaya-ku, Tokyo
156-0057

電話番号

+81333022855

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